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いちばん重要な情報を知らせてくれたのは、親切なコンビニだった

こんにちは、プロデューサーの岩田です。 私は5年ほど前から登山を始めた典型的な中高年登山者です。元気に歩ける年があとどれだけ残っているかを案じ(心配性なんで)、 高山植物の季節であるこの時分はけっこうマメにでかけています。百名山にこだわりはないですが、先の週末に選んだのは百名山でもあり、大岩壁を擁して世界一遭難死が多い山、谷川岳。

と聞くとかなり恐ろしい感じがしますが、もちろん私はハードなクライマーとは何の関わりもありません。谷川岳ロープウエイで途中まで登り、そこから花を見ながらなよなよと往復5〜6時間の行程を楽しむべく、プランを立てました。

当日の天気は快晴。自宅を出て200キロ程度の高速道路も快調に進んで水上ICで降りた私。谷川岳ロープウエイにほど近く、というかもう山が見えている午前9時ごろ、通りがかったセブンイレブンに入りました。
食べ物を少し調達してレジへ。 そのレジ前に掲出されていたのがこちら。

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何?運行停止中?

一瞬思考も停止した私。

我にかえってお店に尋ねたところ、先週の大雨でロープウエイに障害がおきて運休中。再開のメドも立っていないとのこと。

こりゃどうしたものか...
高速使ってここまで来て登山を断念するわけにはいかない。しかしこの状態からいったいどこへ...。

すかさず山渓の「群馬県の山」を引っ張り出して、コンビニの駐車場で検討する私。登山は歩き始めが遅れるのが致命的なので、ここからは時間との戦いです。
絞られた候補は、いまからでも行ける可能性があるこれらの山。

皇海山→なぜかこれで「すかいざん」と読む。ハイカラな名前とは裏腹に、百名山随一の地味さを誇る山らしい。
赤城山→国定忠治でおなじみ。しかし赤城山とは連峰を指していてその名前の山はない。どの山が該当するんだ?と本をめくりつつ焦る。
尾瀬(燧ケ岳、至仏山)→誰もが一度は行きたい尾瀬。今回も谷川岳にするか尾瀬にするかで迷ったが、尾瀬なら泊まりでしょ。。と却下していた。

全部百名山じゃん...。こだわってないといいつつこだわっているかもしれぬ自分を打ち消しながらもう即決するしかなく、多少は予備知識のある尾瀬にしよう!と決心しました。

再び関越を走って沼田ICまで戻り、GoogleMapを頼りに、そして停車中にはiPadでシャトルバスなど現地の情報を集めつつ、ひた走ること1時間。繁忙期の尾瀬の玄関口となる尾瀬戸倉に到着しました。
ひっきりなしに着く登山口の鳩待峠へのシャトルバスに飛び乗り、到着したのが11時少し前。大人気の尾瀬だけあって老若男女がひしめきあっています。ふう...。
モバイル端末に助けてもらわなかったら、まず無理な早業でした。

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残念ながらこの時間だと鳩待峠から至仏山に登るには時間が足らず、お花を見ながら尾瀬ヶ原の木道歩きだけとなりました。スニーカーにショルダーバッグなんていでたちの人もいるなか、さして必要のない登山用具が詰まったザックを背負って大汗かいてのハイキングです。

とはいえ、これ以上のリカバーはどう考えても無理。まあよくやったんじゃないの自分、と己を慰めました。

それにしても、谷川岳ロープウエイのサイトはチェックしてたんですけどね。気づかなかったなあ。
自宅でiPadでちょいちょいと確認しながら計画を立てていたのですが

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「お知らせ」にある一行には気がつかず、
上の「料金・営業時間」のメニューだけ見て帰っていたのでした...。

いちおう赤字で記載していますが、タブレットで見るとこの通りちっちゃいし、なんだFLASHか、見えないよ...と思った記憶が残ってます。必要なところだけ見て、さっさと離脱してしまってたんですね。

今回の場合は「重要! 現在運休中、復旧未定」と、メインビジュアルの静止画でどーんと出すべきですよね。そうすればいかにうかつな私でも気づいたでしょう。
最も重要、というより全ての前提となる情報なんだからさ。ニッコウキスゲが満開とか言ったって行けなきゃしょうがないじゃん。ぶつぶつ。 (家に帰ってパソコンでFLASH部分を見てみたら、春から冬までの四季のイメージスライドでした...あのねえ)

というわけで、いちばん重要な情報を知らせてくれたのは公式サイトではなく、親切なコンビニの貼り紙だった、というタイトル通りのオチです。店長さん、ありがとうございました。すばらしい心遣いです。

日々のWEBサイトの運用に慣れきっていると、実はこういう対ユーザー視点で当たり前の運用ができてなかったりすることがあります。 われわれも教訓にしようと思います。

山には登れませんでしたが素晴らしい快晴で、実に対照的で見事な燧ケ岳と至仏山を見ることができました。 今度は登りまっせ!

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