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吸血鬼的なオファーをきちんと見分けて対応するには

プロデューサーの岩田です。

BtoBビジネスにおけるインバウンドマーケティングの重要性は、皆さんヒシヒシとお感じかと思います。
そのインバウンドで得た貴重なオファーですが、実は情報収集や営業などが本当の目的であることもあり、発注には結びつかない種類のものも混ざっています。
もちろんそれらのデータを長い目で育てるということもありますが、それにも属しない、ただ目の前の時間を奪って行くだけで何も残さないオファーも少なくありません。ビジネス書か何かで「時間と気力を奪う吸血鬼」というような表現を見ましたが、まさにそれですね。
そこでインバウンド対応歴だけは長い私の経験によって、わかったことと対応策をお伝えします。該当するのはWEB制作のように「BtoB」「ネットだけでは完結しにくい(打合せを要する)」「比較検討されやすい」というようなビジネスと思います。確かめようがないので推測であり根拠はないですが、ほぼ間違ってない自信はあります。

インバウンド対応に慣れないWEBマスターの皆さんが、吸血鬼に時間と気力を吸われてしまわない防衛策として読んでみてください。

電話での問い合わせはメールより質が悪い


いきなりで驚いたかもしれません。電話でかかってきた問い合わせは、直接話せるわけだし具体性があって成約しやすいんじゃない?と感じやすいですが、さにあらず。そういえば電話からきちんとした発注に結びつくことが少ない、と思いませんか?
自慢じゃありませんが私は「いろいろ教えていただいてありがとうございました!検討してかけなおします」と言われてコールバックされた記憶すら、ほとんどありません。私の電話の声が無愛想だからということを割り引いてもひどい...(汗)
これに関しては、電話の場合「いますぐ情報や意見を聞きたい。レスポンスに時間がかかるメールじゃ遅いし、そもそもメールアドレス渡したくない」というケースが多いからではないかと思っています。すぐに欲しいのは実際のビジネス対応ではなくて意見やノウハウなどの情報。ここを引き出しておいて、それによって一番安く済ます方法を決めよう、とか考えてるわけです。
電話は意見まで事細かに聞き出しやすいし、サッと切ってしまえばメールと違ってあとあと追っかけられることも少ないので、こういうことが起こりやすいのです。

<対策>
私も昔は、電話で何を聞かれても全力で回答してました。が、しかし「あーこれは意見だけ聞いといて参考にしようとしてるんだな」というニュアンスが徐々に伝わってくるようになりました。
慣れが必要ですが、そういうときには早々に話を切り上げて、切ってしまうことにしてます。連絡先も聞きません。かけても居留守とかで逃げられますのでムダです。

「会社に来て依頼内容について説明したい」というオファーは質が悪い


これも意外なのですが、事実です。私の経験では実になったことがほとんどありません。
「こちらから伺いますよ」というのに「いやいや、こちらから行きます」という丁寧な対応で訪問して来た会社に限って、来社したあとは全く音信がありません。
これも「ハナから情報収集のためだけだから、そのためにわざわざ来社させるの気が引けるなあ...自分のほうから動こう」というのが本当のところではないかと思います。
自分が発注者の立場で考えれば、本当に発注の可能性があれば、こちらに来てもらって相談するのが自然ですよね。
電話にくらべれば発想に可愛げはありますが、時間を取られたり期待させられたりする分、こちらのほうが害は大きいと言えます。

<対策>
あくまで「こちらから行きます」と言い張る相手に対しては、「近くによく行くお客様がありますので、その時に」と持ちかけてみましょう。そうまで言ってもまだ来社にこだわる相手は、すこし変だと思った方がいいです。私もニュアンスによっては断ります(確率的には無条件に断ってもいいレベルなのですが、断り切れない場合もあり...)。

内容に「協業」とか「お互いの長所を生かし」などとあったら要注意


電話やメールでこれらの発言や記述があったら、目的はほぼ100%「オファーのフリをした自社商品やサービスの営業」です。単にこちらのお金を取りに来てるだけですので、会うときはその認識で。会ってから真意がわかると最悪です。
ちなみにこの手で私が一番嫌いな表現が「WIN-WIN」という発言です。これを口にする人から本当にWIN-WINへと導かれたことは、未だかつてありません。というかむしろ逆で、損なほうにばかり導かれます。

<対策>
これらの表現が出た瞬間、私はメールなら見ませんし電話なら失礼して切ります。営業なら最初から営業って言えっての。 ちなみに私たちは精神衛生上「御見積りや制作のお問い合わせ」と「その他のお問い合わせ」を別フォームにしていますが、営業なのに「御見積りや制作」で送ってくる剛の者もいて驚きます。

その他にも

・依頼の文章が非常にアバウトまたは説明不足
→依頼に対する最安値を探しているだけのことが多い。情報を少なくして安い見積りを出させ、それで押し切ろう的な考えです。この場合少ない情報を頭脳で補って適正な見積りを出すと、ほぼそのまま音信は途絶えますので頭の使い損になります。納得ずくなら、エイヤッとバカ安の見積りを出すのも手かもしれません(やったことはないです)。

・名前とメールアドレス以外の記載がない
→起業前などの可能性が結構ある。その場合は対応しても調査だけだったり予算が全然足りなかったりして、まともに進む可能性がきわめて低い。
起業前(直後もです)の個人は信用のない特殊な依頼主であることを自覚して、真剣に考えているのなら先にそれを伝えるべきです。 厳しい言い方ですが、自分がそうだったから起業前の個人の信用のなさはよくわかります。だったら自分の身元くらい、ハッキリ書くべきですよね。

などなどです。

しかし、何だかひどいオファーばかり集まってるように見えてしまう気が(^_^;)。もちろん、そんなことはありません。

最初のコンタクトで、きちんとした相談内容を明記していただき、それに対してきちんと答え、次に訪問し、という王道の流れで、たくさんのすばらしいお客様と出会い、一緒に仕事することができています。
そういった出会いのほうを大切にして、吸血鬼とは早々におさらばしよう!というのが本日のテーマでした。
それでは!