富士山

日本ブランドの象徴といえば富士山(ムリヤリ)。鍋割山山頂で撮りました。

つい最近、新規で訪問したクライアントの担当者から「サイトリニューアルを機会に企業イメージをつくりなおしたいのに、社内を説得できないんです」というぼやきを聞いてきました。
「うちはBtoBビジネスだからブランディングなんて必要ない、必要ない!」って、何だかどこかのCMのようです。

WEBで見るBtoB企業のブランディングは
・小さくても地方の会社でも、熱心に取り組んでいる会社がある。
一方で
・東京の、しかもそこそこの規模の会社でもほとんど手付かずのこともある。

のように決まった傾向がない…というより、事例を見るとむしろ地方の会社のほうが真剣に取り組んでいる印象です。
全体的には、大企業や特定の会社以外ではあまり進んでいない感じです。
先ほどの担当者も話してましたが、こんな社内の声が根強いのです。

 

声その1「ブランディングなんてやっても無駄でしょ」

BtoB企業からの発注は組織による合理的な意思決定。BtoCのように心情的な要因が直接購買に結びつくわけではないから無駄。

確かにBtoBビジネスは、他部署や上司、経営者など多くの人が決定に関わるのが大きな特徴です。採用が決まるまでの期間が長く、モノによっては数年がかりになることもあります。
そこで、BtoBでもコンテンツマーケティングによる中長期の顧客育成が注目を集めています。製品やサービスについて情報を流し続け、また企業について好ましい印象を持ち続けてもらうための情報を提供しています。つまりブランディングも大事な目的のひとつになっています。
「合理的な意思決定」の要素として「製品やサービスの内容」「価格」は最重要ですが、「その企業から受ける印象」も大事な要素のひとつです。担当者も決済権を持つ人も、安いだけでよい印象が持てない企業には発注しません。
これまでブランディングと縁遠かった会社は「望む結果を生むためのよい印象とは何か?」を考え、実践することが自体がブランディングの第一歩であり、BtoB企業にとっても非常に重要です。

 

声その2「われわれの業界は、受注できるかどうかは結局営業マンの力だよね」

結局のところ営業マンの能力、そして顧客との人間関係で受注が決まることが多い。だからそちらの方が大事。

これはほんとうによく聞く。しかしもう入り口から間違ってますよね…。
営業担当の力や人間関係でもっているということは、本人の退職や独立などがあれば顧客も失うということです。
逆にブランディングによって品質感や信頼感が高いレベルで均一に認識されれば、営業担当個人ではなく会社として顧客と結びつくことができます。

 

声その3「ブランディングって大変だしお金がかかるんでしょ」

ブランディングというとロゴを作ったりスローガンを考えたりしなければならない。さらにCMやネット広告で流したりWEBをリニューアルしたりとお金がかかってしまう。そこまでの予算はない。

ブランディングとはロゴやスローガンを作ったりそれを広告やWEBサイトのフルリニューアルで公開することと思われがちです。しかし1でもお話したとおり「結果を生むためのよい印象とは何か」を考えて実践すればよく、形や予算からばかり考える必要はありません。

自分たちが持っている力や考え方を、明確な表現によって認知してもらい、よい印象を持ってもらうことを考えればよいわけです。
顧客層が決まっているBtoB企業では、外に向かって広く認知させる必要がなく、知りたい人にだけ知ってもらえればいいわけですから、WEBサイト来訪者に向けて何かの形でスタートするということはとても合理的といえます。

 

さて「結果を生むためのよい印象」と書いてきましたが、その「結果」についても考えてみます。
BtoB企業のブランディングの成果として期待できるのは次のようなことです。

●見込み客(リード)の量および質の向上
よい印象を与え続けることができれば、WEBをはじめとしたコンタクトポイントから見込み客のコンタクトが増えるはずです。すでに会社の方針や理念を理解しているので、商談がうまく進みやすい良質なコンタクトが得られます。

●競争力が上がる
内容やコスト面で近い製品やサービスとの競合では、ブランドイメージの高いほうが選ばれやすくなります。

●属人的な力から組織力へと変わっていく
先ほどの営業マンの例のとおりです。

●採用効果がある
応募者は会社の考え方や理念を充分理解したうえでエントリーしているため、マッチングしやすくなります。したがって早期の退職者なども少なくなります。

 

他にも「社員の一体感づくり」などの内部的な成果も期待でき、取り組むべき価値が高いのです。
ブランディングを縁遠いものと思っていたBtoB企業の皆さんも
・まずは「結果を生むためのよい印象づくり」と考える。
・その印象を明確なことばで認識する(短くても多少長くてもいい。ただしそれは本当に自社が持っている美点であること)。
・それを基準として、小さな表現機会からでもひとつずつ反映する。

これをぜひおすすめします。

余談ですが、私から見てBtoB企業最高のブランディング機会はNHKの「サラメシ」で紹介されること!
 

大好きな番組。ランチの紹介をしているようで、実は「働くことのすばらしさ」が裏テーマなのがミソ。

ランチの紹介をしているようで、実は「働くことのすばらしさ」が裏テーマなのがミソ。

ここに出てくる会社はBtoB企業も多くて、しかもとても地味な業種だったり地方の小さな家族経営会社だったりしますが、仕事へのこだわりや社員の憩いのひとときをとらえて、会社がとても魅力的に映ります。
おもしろいランチのネタがある会社は、ここから応募してみては?

次回はBtoB企業のサイトから優れた表現アプローチ事例を紹介し、ブランディングの参考にしていきたいと思います。

<プロデューサー:岩田亮二>

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