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あの人に学ぶ、インバウンドコンテンツ「拡げる」?「狭める」?

インバウンドコンテンツというのも少々気が引けますが...。 いちおうこのブログもそう称すべきでしょう。

これまでの不徹底を反省し、コンセプトやペルソナなど方針を決め「さあ、なんとか続けてエントリーして行こう」と始めて約10日。
しかしやってみると突き当たる現実は、日々の記事1本1本作りこむことの難しさ。計画するのとやってみるのとでは大違いです。
そして記事づくりに悩むうち、事業領域から「記事のテーマを拡げていくべきか?」それとも「事業に沿ったテーマ、またはもっと狭めて専門性を高めていくべきか?」という迷いが生じてきます。

「ゴルゴ13流」マーケティングの極意とは

そんな時、こんな記事を見つけました。

「ゴルゴ13」も納得!の3人の顧客|インフォバーン総研

ゴルゴ13の生きざまをインバウンドマーケティング的にとらえた?秀逸な記事です。
ゴルゴ13は表立って営業できないし(そりゃそうだ)簡単にコンタクトもできないが、常に優良な見込み顧客からの依頼が引きも切らない。その理由として、彼のこのセリフをあげています。

「俺は、ただ......依頼者が絶対的に求める、技量と、価値観を身につけるよう心がけているだけだ......」

こんなに渋いことを言う漫画のキャラクターは、見たことないです。
そしてこれこそがコンテンツマーケティングに通じる、というのが記事の主旨です(漫画の前後文脈などは元記事をご覧ください)。 そしてこの記事では、見込み顧客を発掘するコンテンツマーケティングを

「依頼者が絶対的に求める、技量と、価値観」を身につけ、依頼者(見込み顧客)に見つけてもらう。


ことだとしています。
さすがゴルゴ13、深いです。発見した執筆者も慧眼です。

「技量」と「価値観」


話を戻しつつ、このことをもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
運用を続けていくうちに考えるようになったのがコンテンツを「拡げたほうがいいのか」「狭めるべきか」という選択です。つまり、テーマを中心として、話題をテーマ周辺のことに「拡げていく」のか、逆に専門性を高めて「狭めていく」べきかという点です。
前述のセリフでは、拡げるために必要なのが価値観(≒コンセプト)であり、狭めるために必要なのが「技量」(≒専門性)ととらえることができます。どちらが正しいというわけではなさそうですので、それぞれの特性を考えてみます。

◎事業ドメインからコンテンツを拡げていく【価値観(コンセプト)タイプ】

<メリット>

  • 話題の幅がひろがるので、コンテンツを作りやすい
  • その結果、更新頻度を高めやすい

<課題>

  • すべての記事の総体で「価値観」(コンセプト)を伝える必要がある。
  • そうでないと単なるバラエティコンテンツになってしまい焦点がぼける。見込み顧客の精度も下がる
  • コンセプトづくりが最重要。当然トーン&マナーなどに気を遣う必要がある

<向いているのは>

  • 事業領域やサービスを利用するユーザー層自体が広い場合

この成功事例としてはサイボウズ式を挙げます。
ブランドマネージャーの方がインタビューでこう語っています。

一般層のお客様は「機能」より「価値」を基準に製品選択をします。もっと言うと、製品よりもその会社自体がイケてる会社なのかという点も重要な判断基準になります。
私たちは、あえて製品の宣伝をせず、世の中のビジネスパーソンが関心を持っている話題を中心に据えたメディア運営を心がけることにしました。そこで、メディアのコンセプトも「グループウェア活用術」とかではなく、「"新しい価値を生み出すチーム"のための、コラボレーションとITの情報サイト」と定義しました。グループウェアを使うことで生み出される価値を伝える上で、製品に縛られず「チームワーク」にまつわる情報を世の中の関心事と絡めてサイボウズらしい視点で伝えることで、より多くの人の目に触れることを狙ったのです。

◎事業ドメインから専門性を高めていく【技量(専門性)タイプ】

<メリット>

  • 成約率など見込み顧客の精度が高い

<課題>

  • 記事づくりに苦労するため更新頻度が少なくなってしまう危険性
  • あまりに堅くなりすぎると、読むのが億劫になって敬遠されてしまう

<向いているのは>

  • 専門的な知識を必要とするユーザー向けの事業サービスなど

こちらの成功事例としては経営ハッカーを挙げてみました。

中小企業経営者や個人事業主向けのクラウド会計ソフトが提供するオウンドメディアです。基本的に給与計算含む会計がテーマですが、ひんぱんに更新されています。今の時期(3月)は確定申告のネタ中心です。
経理はけっこう月単位・年単位の季節労働ですので、それに合わせているようです。遡ってみたら、企画書とかマーテティングなど経営者向けの他の話題もたまに取り上げてるようです。

どちらに軸足を置くか考える

・ターゲットが広い、または拡げたいのであれば、コンテンツもバリエーションを持たせる。ただしそのメディアとしての「価値観」を共有することで、見込み顧客として絞りこむ。
・もともと絞り込めるターゲットである、そしてそのための「技量」を豊富に持っているなら、専門性の高いコンテンツを増やしていく。
以上が常道といえそうです。

もちろん必ずしも二択する必要はないわけで、「コンセプト」か「専門性」どちらかに軸足を起きながら両面展開することも有効だと思います。というよりそれが理想で、ゴルゴ13もそう言っています(両方完璧にできたら、マネタイズだってできますよね)。
その際、メディアのトーン&マナーは重要となります。社風、業種、執筆者のキャラクターなども考えて決めていくべきと思います。
気をつけたいのは、

専門性に重きを置く場合
「狭いテーマと応用のきかない無機質なトーン&マナー」
→「専門性のある記事が書けなくなる(ネタ切れを起こす)」
→「トーン&マナーも急に転換できず、ネタも拡げられない」
→「運用に行き詰まる」
というような展開を避けることです。
当初狭く設定せざるを得ない場合でも、運用後に記事テーマを拡げられるよう、トンマナやデザイン等に余地を残しておくことが必要かと思います。

逆に記事のテーマを広くする場合は
「広いテーマと大勢の執筆者」
→「編集不足で価値観を伝えられない」
→「散漫なコンテンツの羅列となる」
→「リードが来なくなり行き詰まる」
という展開にならないよう、しっかりとした編集によって価値観を伝えていくことが大事です。

以上、偉そうに分析してみましたが... わが社のインバウンドコンテンツもこれからが勝負です。
これから大事なこととして忘れないよう、エントリーしてみました(腰低)。