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前回、これまでブランディング表現に縁のなかったBtoB企業では、ブランディングと言われても「どうすりゃいいの?」ととまどってしまう、と書きました。
 しかしカンパニーサイト上で何かメッセージを出さないと...となった時、苦しまぎれに上のような「世界地図や地球儀加工イメージ写真」+「グローバルな視野でなんたらソリューションを提供する✕✕社キャッチ」的な表現をしてしまいます。
 こういう表現は受け取る側から見ればまったく引っかかりがなく、一見してスルーされてしまいます。
 これがサイトの一等地に置かれているという状態は非常にもったいないわけです。それよりもしっかりと地に足をつけて表現し、「明確」な「好ましい」印象を持ってもらいたいです。
 知名度がない堅いBtoB企業でも、しっかりと地に足をつけてその会社なりのブランディングしている会社はたくさんあります。
 今回はBtoB企業、特にブランディングからちょっと遠い感じがする業種中心にいろいろなアプローチの事例を紹介し、ヒントにしていきたいと思います。
 
 ■「技」でアプローチ
 モノづくりの会社なら、やはり「製造技術」でよいイメージを持ってもらいたい考えることが多いでしょう。
 先進技術もいいですが、職人さんのワザとか経験は人の心には届きやすいです。ぜひ生産する人のリアルなイメージを伝えたいところです。
 <一陽染工株式会社>
 http://www.ichiyosenko.jp
 
 
職人さんのワザがリアルに伝わってくる作りこみです。特に写真の出来がすばらしく、普通ならよくわからない機械でしかない設備さえもなんとなく魅力的に見せています。 
 ■「地域性」でアプローチ
 BtoB企業、なかでもメーカーは地方に工場や本社を持つことが多いですが、その地域性をポイントにしてしまいます。「織物の町」のように地域と事業が伝統的に関わっていたり、素材がその地と関わっているならばそれを表現などが王道です。
 <大福製紙株式会社>
 http://www.daifukuseishi.jp
 
 
 和紙の町・美濃の「伝統性」と、その地で励む「研究開発スピリット」のコントラストがくっきりしていて、好感のもてる企業イメージをつくっています。
 
 もし地域と事業に特別なつながりがなくても、その地ならではのイメージをうまく使うこともできます。
 <株式会社浅間製作所>
 https://www.asm-jp.com
 
 
 アミューズメント機器の企画製造の会社ですが、キャッチコピーは浅間山から発想。活火山のイメージを事業への情熱につなげているのがうまいです。
 
 ■「開発力」でアプローチ
 製品開発力に自信のある企業はやはりここを強調したいです。
 <クレハ株式会社>
 http://www.kureha.co.jp/
 
 
 純粋にBtoBの企業ではないですが印象が強いので紹介します。ないものを「作る意欲」と「作れる技術力」の両方がうまく伝わってくる、「ナケレバ、ツクレバ。」というキャッチコピーを持ってきてます。このキャッチには「クレハ」の文字が含まれているという芸の細かさ。ここまでくるとその道の専門家のプロデュースによるものですね。
 
 ■「実績」でアプローチ
 
 「実績」という事実を伝えることで強い信頼感を生み出します。実績自体が視覚的・内容的に楽しいものだとなおさら効果が高いです。
 <株式会社星光商会>
 http://seikoshokai.co.jp/
 
 
 看板やサインや標識などの設備工事の会社です。業種だけ聞くとかなり地味ですが、実際は設計力とデザイン力、生産技術力とたいへんなノウハウが必要なようです。それらをすべて表現できるのが事例。見た目にも楽しく、サイトの中心に据えられています。
 
 ■「専門分野」でアプローチ
 徹底して自分たちの専門分野を伝えます。「広く知られていない企業だけど、ニッチなこの分野ではナンバーワン」というように力強いイメージや信頼感をつくります。
 <モリヤマ>
 http://www.ms-moriyama.co.jp
 
 
 原料を練る、押し出すという一般人には存在もよくわからない製造工程ですが、そこを追求し続けてしていることをビジュアル・アニメーション・コンテンツ一体となって表現。アニメーションの凝りぐあいもニヤリとしてしまいます。
 
 ■バランスよくアプローチ
 これまでご紹介してきたような「親しみ」「地域性」「専門性」などの要素をバランスよく含んで、サイト全体でイメージアップします。
 <オンダパーツ株式会社>
 https://www.ondaparts.jp/
 
 
 モノづくりの姿勢、専門性、社会性、イキイキした社員などを表現してサイト全体で高い好感をつくっています。
 
 ■等身大にアプローチ
 最後に「ブランディングを強く意識した活動をしてきたわけではないから大げさなことは言えないし、どう手をつけていいの?」という場合に。
 日々の活動でブランディングを強く意識している企業はそんなに多くないと思います。でも自分たちのミッションは何か、は意識しながら活動しているはずです。ミッション、そしてそれがどんなベネフィットをもたらすのかをシンプルにありのままに表現すればいいですし、ありきたりなアプローチより結果的に好感や信頼につながります。
 <にじゅういち出版>
 http://www.21-pub.co.jp/
 
 
 こちらはイングスが制作担当したお客様のWEBサイトです。ブランディングに関するご要望は当初りませんでしたが、ミッションとベネフィットをシンプルに述べておくことだけはしておきましょう...とおすすめしました。あとは製品やサービスでそれを裏付けていく構造にしています。
 いろいろなアプローチによるブランディング表現を紹介してきましたが、まだまだ他の視点でも表現できます。
 自分たちをしっかりと伝え、よい印象をもってもらえるために、最適なアプローチを見つけていきましょう。
 <プロデューサー 岩田亮二>
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