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数々のWEB制作会社を見てきた担当者のホンネを聞いた

こんにちは。プロデューサーの岩田です。 先日、BtoB企業のクライアント様でマーケティング部門に属し、WEBマスターをつとめる方(「Tさん」とさせていただきます)と面会してきました。

主な目的はというと、このブログについてのヒアリング。企業のWEB担当の方は、どんなテーマに常に気を配っているか。どんな記事を最も読みたいか。そして仕事を依頼してみたい、につながるブログ記事は何か。そんなことを聞きたいと申し込んだところ、快く応じていただきました。

その際に話はひろがり、「WEB制作会社は数あれど、クライアント担当者からはどう見えているのか?」「どんなタイプがあるのか?」「どんなところに仕事を依頼したいのか?」など、はからずもホンネや現実の姿を聞くことができました。 そこで本人のご了解を得て、以下にインタビュー形式で紹介します。グレーの吹き出しが私、ベージュがTさんです。

ふたつに分かれたWEB制作会社の傾向

岩田 ― そういえば、御社はこれまでにずいぶんいろいろなWEB制作会社さんと仕事をされてきたということですよね。


お客様 ー はい。10社くらいに発注実績があります。どの会社もまず最初に自社の説明をするわけですが、おおまかにいうと、そこで2つの傾向に分かれましたね。


岩田 ー というと...?


お客様 ー ひとつめは、デザインの美しさや実績を強調するWEB制作会社でこれが6〜7社という感じ。残りの3〜4社が、マーケティング重視でUXやUIの設計力などを強調する会社です。 前者はビジュアル重視で、結果を出すための視点がなかったり、そこから離れていってしまう傾向がどうしても抜けない。なので本質的にウチのようなBtoB企業と合いませんでした。 それとスタッフが入社1年から3年くらいとかで若く、うちのビジネスをほとんど理解してくれないケースが多かったですね。ヒアリングという名目で同じ説明を3回くらいさせられたこともあって参りました。


岩田 ー WEB制作会社は、時として成果を属人的な作品ととらえてしまいがちですし、確かに若い人やデザイナー気質の人にそれが強い傾向があります。


お客様 ー BtoCでエッジが立ったクリエイティブを要する場合なんかはいいんでしょうけど、そういう仕事って、そう多くはないですよね。 うちのような事業展開がわかりにくいBtoB企業は、ビジネス全般を理解したいわゆる「オトナ」のスタッフが必要なんだと痛感しました。


岩田 ー クリエイティブ一発勝負の仕事は少ないですから、取り合いになります。だからそうでない仕事にも同じ傾向を求めてしまうのかもしれませんね。 後者の3〜4社はいかがですか?


スタッフ間の意識や対応にギャップが

お客様 ー 実は、こっちの方が予想外でした。アプローチがマーケティング寄りでも、結局アウトプットはそれほど変わらないんですよ。 問題は、営業と制作の現場のギャップです。最初に来るのは営業の人。営業ですからあれもこれも「ヒアリングと協議を重ねて提案しながらやります」と約束していきます。 でも、いざ実際の案件として進み出すと、ディレクターという別の人が要件定義書を持ってきて「この通りやります。ここから外れると追加費用がかかります」とやられるわけですね。 最初の提案ではやはりうちのビジネスへの理解が足りないですから、こっちとしてはそこから詰めていきたい状況なのに。


岩田 ー 営業とディレクター間の溝ですか...。 それはちょっと想像ができないですね。(うちは営業いないし)


お客様 ー UIやUXを語りつつ、デザインとの融合に関しても深い造詣を見せる人っていますよね。それが理想だったんですが、そうこうしつつ何社もつきあっているうちに、それはネット上で見えてるだけで、実際の現場にはまずいないんだな...。と思うようになってきたわけです。単なる語り部というか。 もしいたとしても、呼んできて実際に形にするには相当時間がかかったり、コストを覚悟しないとできないから、うちでは難しいんだろうとも思いました。


責任はクライアントの側にある

岩田  ひとつ思うのですが、結局WEBの成果はその会社に返ってくるわけで、WEB制作会社はロジックを展開することはできても最終的に責任を取れるわけではありません。


お客様  そうです。責任は企業のWEBマスター側にあるわけです。 さらに相手も商売なわけですし、効率の問題もあるでしょう。なのでWEB制作会社にすべてを求めてはいません。 しかし、ベースとなるWEB全般の力とビジネスを理解してくれる力、そしてそれを使ってプロとしての提案をしてくれること、さらにそれを実装する能力とスピード。これらを提供してもらいたいわけです。


岩田 ー なるほど。 その視点で、イングスを評価していただくとするとどうでしょうか?(やや緊張)


お客様  はっきり言いまして、約10社のなかでどこを取っても飛び抜けて優れています。


岩田 ー えっ。(思わず言葉を失う)


お客様 ー あくまでうちの会社から見てですけどね。 まずビジネスを理解してくれる出発点で、他社とは比較にならないと感じました。だからもとの提案が的を得ていますし、実際に仕事に入っても的確に軌道の調整や課題の解決をしてくれる。もちろん何をどう採用するかは最終責任を持つこちらで決めますが、求めているところまで最短距離で到達できます。 スタッフの皆さんも誠実で頼りになりますし、デザインや技術を使った実装も的確で非常にスピーディです。 これまでに取引してきた会社をはじめ、いろいろなWEB制作会社からアプローチをいただきますが、イングスさんのキャパシティが許す限り、もう他社に発注することはないと思います。


岩田 ー そうですか...。ありがとうございます。(あまりの高評価に逆に焦る)


お客様 ー それから、私からこんなことを言うのも何ですが、制作費がちょっと安すぎるのではないでしょうか。


岩田 ー は?(さらに言葉を失う)


お客様 ー こちらとしてはありがたいのですが、見積書を見て「これでいいんだろうか」と申し訳なく思うこともあります。


岩田 ー そうなんですか。もっと見積りで盛ればよかったです...。(どう答えるべきかわからなくなり、妙なことを言い出す)


終わりに

別のヒアリングをしに来たのですが、思いがけずこんなに高い評価をいただいてしまい、最後はグダグダになってしまいました。

なかなか聞けない担当者側から私たちのWEB制作業界を見たナマの感想が新鮮だったこと、またいただいた評価をうちのスタッフなどにも知らせたいという気持ちで、許可をいただきインタビュー形式にして紹介してみました。

なお「価格が安い」というコメントもいただきましたが、価格基準に関するイメージは会社あるいは個人で驚くほど違いますので悪しからず。逆にこちらがビックリさせられるような価格イメージを持っている方もいますので、どうかこれを読んで値切らないでください(笑)。

またもともとインタビューをしに行ったわけでないので、写真はありません。録音もしていませんので記憶とメモを頼りに書いてます。一語一句にまで自信はありませんが、ほぼこのままの内容です。ヤラセじゃありませんので。 実はTさんにこの記事を確認してもらったところ、許可とともにこんなことまでおっしゃっていただきました。

もしこの記事を読んだどこかの企業の方が、実際のところを私に直接聞きたいという要望があれば、その企業からのヒアリングにも応じますよ。

そこまで言っていただけるとは...。本当にありがたいかぎりです。 ではお言葉に甘えて、もしTさんにヒアリングしたかったらこちらからお問い合わせください、と言っておく。(^_^)

さて、これを励みにしてまたがんばるか。