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モバイルフレンドリーアップデート当日にスマホ対応方針について考える

こんにちは。ディレクターのハシモトです。

本日はGoogleのモバイルフレンドリーアップデートの当日ですね。しかし、反映には数時間から長ければ72時間以上の時間がかかるとされていますので、やきもきしているWEBマスターの方も多いかと思います。

前回の記事にも書きましたが、Googleモバイル検索のアルゴリズム変更がリリースされたため、弊社にもスマホ対応の問合せが増えました。その中でも一番多いのが「PCサイトはあるが、スマホ対応されてないので早急に対応を進めたい」という依頼です。
その内容をヒアリングしていくと、「早急にやるべきか、じっくりやるべきか」「どの範囲で対応するか」などで迷われているケースが目立ちました。そこで今回は、まだモバイルアルゴリズム変更の対応方針を決めかねている皆さまに、判断のポイントをまとめてみました。

■スマホユーザーの検索の重要度を考えてみる

アルゴリズム変更のインパクトにおされて意外と抜けてしまいがちなのが、「ビジネスにおいてスマホユーザーの検索がどの程度重要なのか」という点です。重要度を判断するポイントは大きく分けて以下の3つが考えられます。

1.現サイト(PCサイト)でのスマホによる閲覧ユーザー比率は高いか
あくまで目安ですが、現サイトのスマホによる閲覧比率が40%を超えるようであればスマホユーザーの比率は高いといえます。逆に30%を下回る、特に10%台以下であれば比率は低いといえます。

2.提供する製品やサービスは、スマホユーザーとの親和性が高いか
言い換えれば「その製品やサービスについて、スマホで知ろうと考える人が多くいるか?」という視点です。スマホユーザーを直接ターゲットとしている製品は当然多いと思われますが、そうでない製品・サービスはどうでしょうか。例えば機能比較やシステム図が必要な「クラウドシステムサービス」について調べる際には、スマホから深く知ろうとするユーザーが多いとは考えにくいでしょう。

3.スマホ検索において製品名などの固有名詞が入らない「一般キーワード」による流入の実績や期待が高いか
モバイルユーザーの検索キーワード実績を調べて、製品やサービス名を指定して来訪するユーザーがほとんどであればスマホの重要度は低いと考えられます。一般キーワードが想起できにくい場合や、もともと知名度が高い製品やサービスの場合がこれにあたります。逆に一般キーワードの検索で流入をしてほしい、または既に流入がある場合は重要度が高いと判断します。

「1」と「3」については、Google Analyticsなどの解析ツールで実際の数値やキーワードを確認できます。それによって今はスマホユーザーの重要度がそれほど高くないと判断されたら、急いでスマホ対応に走るよりアルゴリズム変更後の動向を確認しながら計画的に取り組んだほうがよいと思います。

■スマホサイトの構成はPCと同じであるべきか?

重要度が高いと判断されたら、次は具体的にスマホサイトの構成をどうするかを考えます。
製品やサービスから考えて、PCユーザーとスマホユーザーに同じ内容の情報を提供するべきか、あるいはスマホユーザーには内容や構成を絞り込んで提供するべきかの判断です。
1ページあたりの情報量が多いサイトやページ階層が深いサイトは、そのままスマホ化すると読みにくくなることがあります。こうした場合は情報を編集して絞り込んだり、構成を変更して階層を浅くするなど最適化することも考えます。スマホユーザーの行動特性として、じっくりとページを見るよりもざっと読みとばす傾向がありますので、その傾向があてはまるかなども考慮し総合的に判断します。
ここでの懸念は「PCサイトと構成が異なるとGoogleからマイナス評価を受けるのでは?」ということですが、現時点ではモバイルアルゴリズムは「ページ単位で評価する」とされていますので問題はありません(今後方針が変更される可能性はあります)。
以上の判断ポイントをふまえて「PCサイトと同じ構成を前提にスマホ対応を検討」する【A】と、「スマホユーザーに最適化した構成を検討」する【B】の方針に分かれます。

【A】 PCサイトと同じ構成を前提にスマホ対応を検討する


PCサイトと同構成にする場合、大きく分けて以下の3つの構築手法があります。

1.レスポンシブの導入によりサイト全体またはトップページなど一部を改修▼
2.スマホ専用のページでサイト全体を改修▼
3.PC→スマホ自動変換サービスを利用してスマホサイトを構築▼

1.レスポンシブの導入によりサイト全体またはトップページなど一部を改修

現状のPCサイトをベースにサイト全体をレスポンシブ化する、あるいはスマホユーザーに検索でランディングしてほしいページのみレスポンシブで対応する方法です。Googleはページ単位で評価しますので、「トップページと製品ページ」など、スマホユーザーに見てほしいページが特定してそこだけ改修するのが一番手っ取り早い対応です。もちろんこの機会に全体をレスポンシブ化する方向もあります。

なおレスポンシブ化には、対応ページだけでなく「対応レベル」の視点もあります。
モバイルフレンドリーアルゴリズムでは

・適切にViewportを設定
・スマホ向けにフォントサイズを調整
・最適なコンテンツ幅
・タップできる部分を適切に離す
・Flashなどのスマートフォン端末が対応していないプラグイン不使用

といった基本調整を行えばクリアでき、画像の見やすさなどは判定されません。
例をあげると、フローチャートの画像の文字がスマホで見づらいが、それをスマホ用に置き換えるか?など、本当にユーザー本位のレベルまで行うかどうかも判断する必要があります。
よく見られる格安のレスポンシブ化サービスは、上記の基本調整だけのことがほとんどですのでご注意ください。

2.スマホ専用のページでサイト全体を改修

スマホユーザーに最適化したコピーやページ内構成で、新たなスマホサイトを構築します。本当の意味でユーザーフレンドリーであり、PCサイトとも1対1でリダイレクト設定できますので、将来的にもSEO面では心配のない対応です。ただし更新の際は2つのソースを更新しなければならないため、CMSで上手に構築しないと負担が大きい方法です。

3.PC→スマホ自動変換サービスを利用してスマホサイトを構築

以前の記事でもご紹介した、外部サービスを利用する方法です。アルゴリズム対応は間違いないと思われますが、細かな機能や実際のデザインは利用するサービスにより異なります。
さらに表示スピードが少し遅くなる傾向があること、初期費用+月額制が多くサービスによって価格が大きく異なることなどを知っておく必要がありますが、手っ取り早く全ページを対応させるひとつの選択肢ではあります。
改修が終わるまでの間、当面スマホ対応しておく必要がある時などに検討してはいかがでしょうか。

【B】スマホユーザーに最適化した構成を検討する

PCサイトと別構成にする場合は、スマホユーザーに向けて自由に設計ができますので、構築手法は以下に絞られます。

4.構成やコンテンツを絞り込んだスマホ専用サイトを追加設定

この場合、スマホユーザーの閲覧傾向や利便性を重視してサイト構成やコンテンツをコンパクト化することが重要です。したがって、中途半端にPCサイトへのリンクを設定するのは本末転倒でもあり、避けたいところです。逆にPCサイトからは適切なリダイレクトを設定する必要があります。


■まとめ

以上、順を追ってスマホ未対応サイトの対応方針を整理してみましたが、ご参考になりましたでしょうか。むやみにあわてることなく、必要に応じた適切な対応を取っていくことが大事と考えています。
ただ今後、スマホ化への流れはさらに加速していくことは間違いありません。総務庁の最新の発表によると、20代のスマホ利用率は8割に達しており、むしろ若年層のPC離れが懸念されています。良い悪いは別として、すべてのサイトにスマホ対応の必要がいずれやってくるのは間違いありません。
しかしながら実はまだ弊社のサイトもスマホ化ができておりません...。まさに医者の不養生か紺屋の白袴か。今後上記のフローに従い、早急にスマホ化を進めたいと思います。。(汗)