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クラウドソーシングに企業ロゴのデザインを依頼してみた(前編)

こんにちは、イングス技術グループの marunaga です。といっても、今回は技術ネタではありません。話題は、私が以前にあるクライアント様のサイトリニューアルのディレクションを担当した際のクラウドソーシングの利用についてです。

もちろん、メインの制作業務をクラウドソーシングで...ということはありません(弊社は95%以上の業務を内部スタッフで行っております)。

それでは何を?というと、デザイン業務の依頼の代表格であるロゴの作成。今後、クラウドソーシングへロゴの依頼を考えている皆さまのご参考に、募集から採用にいたるまでのプロセスをご紹介します。

クラウドソーシングの採用まで

ある出版社様のサイトのリニューアルを進めて行くうちに、「それまで何となく決まった書体で使っていた企業ロゴ(正確にはロゴに近いもの)を、きちんと作成したい」という要望をいただいたことが発端でした。

ロゴ作成という業務はかなり特殊です。いわゆる"CI"のアウトプットのひとつとしてとらえ、CIコンサルタントや大手広告代理店のコンセプトワークをもとにやると、見積り上はロゴ作成としてウン百万も計上されたりします。実際プロジェクトは何年にも及ぶことがありますし、ロゴ案も多数の提案とブラッシュアップを重ねて決定していきます。

しかしこんなことが可能なのは、大手企業だけ。「自分たちのイメージに合ったロゴを、低予算かつそれなりの数の候補から選びたい」というのが中小のお客様の希望で、それにクラウドソーシングがぴったりはまったようです。ひとりふたりのデザイナーから多数案出してもらうより、多くのデザイナーから集めた方がバリエーションが豊かになるのは道理だからです。

私自身、どのようなものが集まるのか興味がありましたので、クライアント様の求めるものを伝え、できるだけ良い案が集まるよう舵取りの役目をしました。

クラウドワークスか?ランサーズか?

ご存じのとおりクラウドソーシングのサービスとしては、クラウドワークスランサーズ が有名ですが、外から見てるだけではそれほど大きな違いが感じられませんでした。さて、どちらにするべきか...。

そこで両方のサービスでアカウントを作り、依頼の方法などの確認とともに提案状況を細かくチェック。他のコンペのロゴの提案状況などを見て、提案のバリエーションが多そうな気がしたクラウドワークスを使ってみることにしました。あくまでその時点での主観になりますが。。

依頼の形式は2種類ある

クラウドワークスに登録されている仕事は、大カテゴリから細かいジャンルまでとても細かくわかれていますが、依頼の前提となる区分として「プロジェクト形式」「コンペ形式」の2種類があります。

プロジェクト形式

サイトやWEBシステムをまるごと発注する場合など、複数のタスクがあったり、長期間継続して作業が必要となる場合の募集はこの形式を選ぶことになります。応募してきたスタッフを発注側が選びプロジェクトを作るしくみで、当然採用以前に制作を求められることはありません。

コンペ形式

あらかじめ制作物を募集して選定したい場合の形式です。納品物やタスクが単一であり、短期間、単発の場合に採用されます。

ご要望からして当然ですが、今回は「コンペ形式」で依頼を設定しました。

依頼報酬をどうするか


次に、募集に対する報酬設定です。当時ロゴ作成のジャンルの報酬で安いものは20,000円(税込 21,600円)から。本当にこれでいいのだろうか?とやや不安になる額ではあります。
今後長期間会社の顔となるものですので、クライアント様と相談して今回は比較的高めの50,000円(税込 54,000円)での募集としました。

ところで、「募集はしたものの、提案がなかったらどうしよう?」という心配もなくはないと思います。選んだ金額によって「提案保証人数」というものが設定されており、提案人数がそれに満たない場合は「全額返金」される仕組みとなっています。
逆に提案保証人数を満たしたが、キャンセルしたいという場合は こちら に記載されているルールに従うようです。

案件の登録にあたっての注意点

その後、登録しながらわかったこととして、以下の様なところが注意点としてあげられます。

◎案件は、入金が完了した時点で募集の扱いとなり、受注するユーザー向けに公開されます(先払い)

◎案件の内容は基本的には非ログインユーザーにも公開された状態で募集が行われます。

◎非公開で募集をしたい場合には、2 通りのオプションが用意されており、コンペ募集中は非公開だが募集終了後は公開となる「非公開オプション」(税込 6,480円)と、コンペ終了後も非公開状態が続く「完全非公開オプション(税込 8,640円)」があります(ここで金取るか、という気がしなくもありませんが...)。非公開にした場合は、クライアント様にもログインしてもらわないとコンペの状況が見られなくなります。

◎公開する依頼の内容については、追記はできますが、基本的に修正はできません。

今回は、公開状態で募集することにしました。

いよいよ依頼内容を登録

WEBサイトやシステム構築に関するコンペの際にも「提案依頼書」がもっとも大事なように、依頼内容の登録によって集まる提案の数や質が左右されます。そこで事前に入力する情報をクライアント様とよく協議したうえで登録を行いました。
以下が、クライアント様と協議・確認した主な依頼内容です。

ロゴの表記名称:○○○○株式会社

概要説明
◎XX関係の出版物などを扱っている○○○○株式会社様のウェブサイトの全面リニューアルに合わせて、企業ロゴを新規で作成したいと考えています。

要望
◎出版関係ということで、基本的には固めの明朝系の書体を用いたロゴを想定しておりますが、品のよいゴシック系の書体でも問題はありません。

◎ロゴは、マークと会社名称を組み合わせた意匠とし、マークと名称の配置の組み合わせとして、横並び、縦並びなど、何パターンがご提案いただきたくお願いします。

◎サイトは #FFFFFF#0074C1#CCE5F8 のようなブルーを基調とした爽やかで誠実な雰囲気のトーンでまとめられたデザインです。ロゴはブルー(#0074C1)の帯の上に、配置することを想定しています。

こちらで依頼は完了。いろいろな発想やアプローチが見たいので、デザインにかかわる要望や制約はあえて最小限にとどめました。
その後のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 募集の開始
  2. <
  3. 提案期間(約 2 週間)
  4. 募集期間の終了
  5. 選定期間(約 2 週間)
  6. 採用作品の決定
  7. 採用作品のデータ納品
  8. 納品データの確認

定期的にクラウドワークス側から今後の進行についてのメールが届くので、その内容にしたがって進めてゆけば特に迷うことはないと思います。
入金も完了して、いよいよ公開!どれくらいの数、そしてどんな発想やアイデアの提案がくるか、楽しみです。

ここまで書いて、ブログに慣れてない私はちょっと息切れしてしまいました...。後半は、あすエントリーさせていただきます。
ではまた!