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スマートフォン変換サービスとスマホ専用サイト、どちらを選ぶか?

はじめまして。ディレクターのハシモトです。

企業サイトのメンテナンスを依頼していただいているお客様から「スマートフォン変換サービスの導入を急遽考えているんだけど、どのサービスがいいでしょう?」と問い合わせをいただきました。
このサイトはうちは初期制作はしておらず、スマホも未対応。
なぜ急に?それはこちらの事情によります。↓

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Google、「スマホ対応」をランキング要因に利用することを決定。4/21から導入。

スマホ対応しているサイトを上位に表示しようという目的で、Googleがアルゴリズム変更を実施予定。モバイル検索の順位のみに影響するもので、結果としてモバイル対応していないサイトは順位が下がる。また「同じサイトでもPC検索とモバイル検索で大きく順位が変わってくることもあり得る」とされています。
そこで、短期間にスマホ対応するなら「スマートフォン変換サービス」はどうだろうか?ということなのです。

イングスが新規サイトを立ち上げる場合は、何らかの形でマルチデバイス対応するのがほとんど。だからこうしたサービスを検討することはほぼなく、今回初めてチェックしてみました。

今回のお客様の要望や問い合わせは、
●当面の目的は、Googleのアルゴリズムへの対応
●4/21からなので早急に対応したい
●サイトの規模としては中規模。ただし別ドメインの小規模サテライトサイトがいくつかあり、それも対象
●費用や変換ツールの性能バランスによっては、この機会にサイトのスマホ化リニューアルを考えた方がいいか?

といったところです。

Googleのアルゴリズムへの対応は?

スマホ変換サービスを使えば当然「スマホ対応」のお墨付きがもらえるはず。が念のため、いくつかのサービスの「導入事例」とされているサイトを、Googleの「モバイルフレンドリーテスト」で調べてみました。

するとどこも「問題ありません。 このページはモバイルフレンドリーです」と出るので問題なし。
さらに「ページスピード」と「ユーザーエクスペリエンス」を採点する「PageSpeed Insights」にもかけてみました。以下がその結果。すべて100点満点に対するポイントです。

<参考:各社のスマホ変換サービス>

●サービスAを利用のサイトB
速度36ポイント/ユーザー エクスペリエンス99ポイント

●サービスCを利用のサイトD
速度40ポイント/ユーザー エクスペリエンス99ポイント

●サービスEを利用のサイトF
速度46ポイント/ユーザー エクスペリエンス100ポイント

<参考:弊社で作成したスマホ専用サイト>


●サイトG
速度47ポイント/ユーザー エクスペリエンス99ポイント

●サイトH
速度53ポイント/ユーザー エクスペリエンス99ポイント

●サイトI
速度48ポイント/ユーザー エクスペリエンス100ポイント

「ユーザーエクスペリエンス」はどこも満点近いが、「ページスピード」はスマホ変換サービスによっては、スマホ専用サイトより少し遅い印象があります(上記以外に、極端に遅いサイトも見られた)。

ちなみにPageSpeed Insightsのスピード測定は結構厳しいみたいで、Yahoo!スマホ版でも67ポイント。サーバスピードも測定しているようで、遅い場合「0.22秒の反応時間」などと出ます。スマホ変換サービスの場合、「サーバスピードに問題なし」と出ますが、実際のスコアは高くならず。

そもそもスマホ変換サービスは、ページ遷移のたびに変換用サーバーに飛ばしPCサイトを読み込んでからスマートフォンページに最適化して表示します。それがスピードを遅くする要因とも考えられます。もちろんそのサイト独自の構造やJSの設定などによって大きく変わるので、上記はあくまで参考。
でもこんな恐ろしい情報もあるので、気になるところです。

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Google、遅いサイトに付ける「Slow」ラベルをモバイル検索でテスト中か?

「Slow」ラベルなんてつけられた日にゃたまりませんね。

メリット・デメリットをまとめてみる

以上もふまえて、それぞれの選択肢のメリットとデメリットは以下のようなところかと思います。

変換サービス利用
◎手軽で、サービスによっては1ヶ月もあれば実装可能
▲表示スピードが少し遅くなる傾向がある
×スマホ専用ページよりもユーザビリティが低くならざるを得ないページも出てくる(特にフォーム類)

スマホサイト新規構築
▲実装までに時間がかかる。無理して何とか2ヶ月くらいで実装か
○変換のために表示スピードが遅くなることはない
◎スマホ専用の導線やフォームなど、UIやコンバージョン策にベストを尽くせる

肝心のコストは?

どれかサービスを選んで試算してみたいが、各サービスの詳細が本当にバラバラで価格や機能の差もはっきりしないです。安いサービスだと「年額6万円」なんてのもあります。さすがにちょっと不安を感じますが...ちなみにここです。

"shutto"(イー・エージェンシー)

初期費用:15,000円
年使用料:60,000円

※こちらはフリー版があるので、次に試してみようと思います。

要するにサービスをひとつずつ当たって、しっかり説明を聞かないと判断できないです。 なのであくまで試算ですが「固定額で試算しやすい」「名のある企業の事例」「そこそこの価格感」ということで、このサービスを選んでみました。

"モビファイ"(ドーモ)

初期費用:150,000円
初期制作費:記載がないので出しにくいが、WEB制作会社で比較的簡単に制作可能とのこと。そこで300,000円と仮定。
月使用料:80,000円

よって年額換算すると141万円、そのまま2年間使用すると237万円となります。

現サイト(本サイト)のスマホ化リニューアル費:150万円〜200万円の範囲を想定

うーむ。非常に微妙な比較になってしまいました。

今回の結論

Googleのアルゴリズムへの対応、またスマホユーザーにできる限りゆきとどいたサイトをという本来の目的を考えると、以下のように考えがまとまってきます。

●本サイト
→サイトリニューアルによるスマホ対応を行う

●サテライトサイト
→すべてをリニューアル対象とすると、時間もコストもかかってしまう。そこで、ここだけ月額1〜3万円程度で使える安価な変換サービスを利用する。
→ただしフォーム類は本サイトでスマホ化されたものを使用する。

ということでお客様に提案してみた次第です。
同じような考えをお持ちの企業の参考になれば幸いです。